平成9年度 情報ネットワーク論I試験問題
以下の問題のうち
2題を選択して回答せよ。なお、以下の点に注意する事。
- 意味不明の論述は、回答として評価しない。したがって、間欠・明瞭な日本語を記述する事に心がけよ。もちろんであるが、読めないような汚い字は、採点しないかもしれないというリスクがあることを認識するように。
- 論述問題とは、単に一つの正解があるという問題ではない。したがって、一つのポイントだけ述べるのではなく、総合的に考えるように。
- 「教科書の○○ページに書いてある」という回答をした学生が過去何人もいるが、これは論述問題の回答としては不適当だと考える。
- 単位取得に対する要求(例えば「優以外はいらない」等)は、解答用紙の
1ページ目上欄外に赤書きすること。採点作業の迅速化に協力してください。
問題
Radix Tree を用いた経路表 (Routing Table) は、主に経路情報検索を高速に実行することを目的に導入された技術である。では、高速検索以外に、どのような理由でこのような複雑なデータ構造を採用したのだろうか。その技術的な理由を述べよ。
FDDIやATM/AAL5等の最近の高速ネットワークを実現するデータリンク技術では、一般にMTUが大きくなる傾向が強い。これはなぜか。
TCPで用いられているフローコントロールメカニズムは、RTTが大きな場合うまく機能しないことが知られている。この理由を述べよ。
IP層では近年マルチキャストのサポートが一般的になっている。IPマルチキャストとはどのようなものであるかを述べよ。さらに、その経路制御における問題点を指摘せよ。
ARPで用いられるARPテーブルは、4.4BSD UNIXでは Routing Tableと統合された。これはなぜか。また、これによりどのようなメリットがあるのか。
プロトコルスイッチの機構を使う事によってどのようなメリットが有るのか。
Information Network I
Questions
- The Radix Tree algorithm and data structure was introduced to improve the routing information lookup overhead. But, there are other reasons why the 4.4BSD UNIX should introduce this mechanism Describe these reasons.
- High speed datalinks such as FDDI or ATM/AAL5 tend to use bigger MTU than before. Why?
- The TCP flow control mechanism does not work well if it applied to networks with large RTT. Why?
- In recent years, TCP/IP implementations are supporting the IP multicasting. Describe what is the IP multicasting. And, point out the issues on IP multicast routing.
- In 4.4BSD UNIX, the ARP table is integrated to the Routing Table. Why? And what is the benefit of this?
- What is the benefit to use the Protocol Switch in UNIX protocol implementations?